親の【目】、私の【目】
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私と同じく、ふたりの子供がいる知人と話していたとき、
彼女の妊娠&出産の話になりました。

 

2回の妊娠のうち2回とも、つわりが相当ひどかったらしく、入院するほどだったそうです。
となると当然、家事や育児にも手がつかなくなります。

だからすでにふたりの子供がいる状態では、3人目の妊娠は諦めたそうです。

 

彼女は不妊治療を経て、体外受精での妊娠でした。
もっとも状態の良かった受精卵がいまの長男たかしクン(仮名)で、
残り2つの受精卵を凍結保存し、そのうちのひとつが2年後に生まれた長女はなこチャン(仮名)でした。

3人目を諦めると決めたとき、残りひとつの受精卵は、
要するに【処分】しました。

 

そして彼女は言いました。

 

「この小さい受精卵が【たかし】や【はなこ】だと思うと、
処分してもらうのはすごく抵抗があった。」

 

ほかの人が見たら、肉眼では確認もできない
小さな小さな細胞の一片です。

それを我が子だと思う気持ち、私には理解できます。

 

それを【捨てる】ときの気持ちは、やるせないものだったと思います。

思ったんです。

私は、出産をし、母親になって初めて、

【命】の重み、
儚さ、
大切さ、
愛おしさ、

そして生々しさ、

を実感しました。

それまでは何となく、『命は大切』ということは分かっていたつもりですが、

言葉だけが上滑りしていたような。

子供を産んでいない人が【命の大切さ】をわかっていないとは言いませんが、
少なくとも私は、【実感】は伴っていませんでした。

この前テレビで、シリアで使われたとされる化学兵器の報道番組を偶然見ていました。

画面には注意書きが出ていました。

『※化学兵器が実際に使われたとされる現地の映像が流れます。』

すこし残酷な光景が流れるので、耐えられそうにない人は消してね、
ということです。

 

『ま、大丈夫だろ』

 

と思って続きを見たのですが、それは見てはいけない映像でした。

 

映っていたのは、化学兵器の影響で呼吸困難になっている
子供たちの映像でした。

病院に連れて行くため、トラックの荷台に
たくさんの子供が寝かされていました。

どの子も、胸を波立たせて苦しそうに喘いでいました。

目の前に雷が落ちたような感覚でした。

 

急いで目を塞いだのですが遅かったです。

閉じたまぶたの裏に浮かんだのは、同じように苦しむ

自分の子供たちの画でした。

 

頭の中でサイレンが鳴って、涙が出ました。

もう私は、子供という子供、赤ちゃんという赤ちゃん、すべてに
無意識に自分の子供を投影してしまうんです。

どの子を見ても、当時の自分の子供たちを思い出す鍵になるし、

どの子の話も、自分の子供に置き換えて考えてしまいます。

だからもう、子供が出てくる映画などは、極力見ないようにしています。

子供が出てくる時点でもう、映画として楽しめないので。

そういう【母親の目】になってしまったんです。

photo by Aytena

 

【命】が大切だということは、理屈じゃないんです。

【子供】は幸せでなければいけない、ということは理屈じゃないんです。

そうでないと、いけないんです。

誰かがインタビューで言っていたのを覚えているんです。

でも私は、親になって初めて、
それが本当の意味で【大切】で、
本当に【理屈ではない】ことを実感しました。

 

『戦争とか、やってる場合ではない』

そう思う【母親】たちが、国、会社、団体のリーダーであれば、

世界はもっと、ずっと、【平和】だったんじゃないかしら。

生物が種として存続する以上、

【母親】は一定数は存在するわけで、

その【母親】がもっと、社会へ目を向けて、

自分事として怒ったり、悲しんだりして、声を出すこと、

それこそ、SNSの最大の公益、じゃなかろうか。

 

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