冒頭でも書きましたが、
結婚、妊娠、出産、産休、育休という時、
私は会社員でした。
都内にある外資系の広告代理店、
長男の産休を取ったときが勤続7年目くらいでした。
『広告代理店』と言うと、
ちょっとキラキラしたというか、派手というか、陽キャラばかりの、
そういうイメージを持たれることが多いのですが、
広告代理店にもいろいろあるんですよ。
私が当時所属していたチームは、
世界的巨人企業専任の営業チーム。
決まったお客さんからお仕事をいただき、
決まった会社に週に何度も出かけていくタイプ。
競合プレゼンとかコンペとかピッチとか、
そういうのに参加していた時期もありましたが、
妊娠当時は比較的穏やかな仕事内容でした。
クライアント側も働くママさんが多く、
変な時間のミーティングもほぼなく、
社歴長かったので有給休暇も常に余っていて、
「休みたい」と言えば理由も聞かずに尊重してくれて、
持ち帰る仕事もあったものの、
毎日定時で帰っていましたがフルの年収をいただいていて、
思い返しても、条件的には結構恵まれた環境でした。
でもね、なぜかモヤモヤで胸が晴れない日々が続いたんです。
2014年9月、長男がまる1歳で、育休から復帰しました。
産休前とは、上司が変わっていました。
日本人だけど中身はアメリカ人の、帰国子女の男性でした。
上司は良い人だし、条件的には恵まれていたのに、私の心は晴れませんでした。
長男もまだ1歳かそこらでたまにお熱で早退して、
長男にご飯を食べさせながらパソコンを開いて仕事もしていましたし、
忙しいのに、目の前の仕事をどんどんこなしているのに、
なんだか実感がないというか、
掴もうと思っても手の中をスルスル『実感』がすり抜けていく感覚というか、
私、何やってんだろー・・・
という思いが、どこからともなく、気付くと胸に湧いてきます。
今思うと、結局はこの記事で書いたように、
日々の日常をコントロールできない感じがいちばん大きなダメージだったのだと思います。
出産前と同じ仕事をしているのに、
ふと思いもしないタイミングで子供の体調不良で中断させられたり、
子供のお世話だけをしたい時間のはずなのに、
いまメールを返信しないといけないとか、
全てが私以外の誰か、何かの都合で振り回されて、
何をしている実感も持てないまま、
仕事は進んで、子供も寝て起きて、
時間も仕事も子供も、
私の手の中をスルスル通り抜けていくような感じがして、
もうとにかく、何かが違う!
誰かがいつも、心の中で大声でそう言っていました。
恵まれていたはずの環境だったのに、
その声に導かれているような気がして、
『ここではないどこかへ』
行かないといけない気がして、
2015年4月ごろから、転職活動を始めました。
エージェントに登録すると、
件数だけはたくさん話が来ます。
それにひとつずつ、『あり/なし』と返答をしていきます。
小さな子供がいる30代後半の女。
子供がいることは選考にそこまで影響しない、
エージェントの人はそう言っていましたが、
実際はどうだったのかわかりません。
無数に選考を通してもらう中、
ある外資系ホテルのマーケティング部門のポジションの
書類審査に通りました。
次は面接、ということでエージェントに出向いたり、
並行して他のポジションにも申し込み続けました。
そんな中プライベートで、
友人の勧めで『針』断食なるものを試してみました。
要は3日間の断食からのダイエットや体質改善なのですが、
食事療法によって生じる不快感を針で緩和したり、
マッサージや整体も含めたプログラムでした。
産後の体も整えたくて、半休を取って銀座の店舗へ行きました。
ひと通り問診した後、こう聞かれました。
「念のためですが、妊娠されていませんよね?」
「してません。」
こう答えました。
ふたり目は欲しかったものの、
理想は3歳、4歳差。
とはいえ、ふたり目できちゃっても大丈夫ということで、
避妊はしておらず、
銀座から帰ったその日、念のため妊娠検査薬で検査してみると・・・
おっと・・・陽性!!!???
その足で産科へ行き、まだ心拍は確認できなかったものの
妊娠を確認。
夫にLINE
「妊娠してた~」
「さようなら、シャンパン~」
(当時はよく夫とシャンパンを飲んでいた)
断食はまぁいいとして、
転職の件。
「転職してすぐに産休でもいいですよ~」と先方は言ってくれたのですが、
しかし当然、勤続年数が足りないので産休はなし、などのデメリットもあり、断念しました。
それが2015年6月のこと。
そこからはひとまず妊婦生活です。
わかんないですけど、
当時私は、そして今も思うんですが、
『転職は違うんじゃない?』
誰かにそう言われているような、そんなタイミングの妊娠発覚でした。
転職って確かに、
環境がガラッと変わるので、
『何かが違う』と思っている今を変えるという意味では
真っ先に思いつく選択肢です。
だから私も活動を始めました。
でも言われてみると、
働く会社が変わったところで、
子供は変わらずに小さく、会社には必ず上司やそのほかの人がいて、
コントロールの効く範囲は時と場合によります。
自分の回り半径2mの『コントロール』をこの手に握りたい、
その願望が転職によって叶えられるとは限らない訳です。
ということで第2子妊娠をきっかけに転職は一旦白紙に戻りました。
特に今後も、
『これさえやれば独立も成功間違いなし!』
みたいなノウハウのようなものはなく、まして
『独立と会社員とどっちが良いか!?』
という結論なんてもちろんなく、
ただただ私の経験談しか書かれませんが、
もしよろしければまた読んでいただけると嬉しいです。
不定期ですが、週1回くらいのペースで更新していきたいと思っています。
ではでは、また。