以前勤めていた広告代理店には、『クリエイティブ』と呼ばれる部署というか、区分けがありました。
彼らの肩書としては、Creative Director、Art Director、Copywriter、Designerなど。
以前にも書きましたが、私は美的センスというか、その辺は不得意としていて、ゼロからイチやジュウゴを生み出す彼らには、憧れに近い感情を持っています。
会社に入る前からの古い友人で、Art Directorとして働いていた同僚がいました。
確か…1/4スペインだったか、南米だったかのクォーターで、見た目も名前も日本人ぽくなく、言語も常に3カ国語を一緒くたに使っていました。
「おー、みゆきチャン!Doing good?Si?」
みたいな。
そんな彼も、CreativeやArtにおいて私は尊敬というか、絶対にかなうわけない人、と思っていました。
子供が生まれる前、彼を含めて同僚たちと飲みに行ったときに彼が言ったことを、今でも覚えています。
「絵だろうが動画だろうが、ほかの人がそれを見て、その人が素人だろうが子供だろうが、なにを表現したいのかがわからなければ、その絵にも動画にも価値はないんだよ。みゆきちゃんがわからなければ、それには意味がないんだよ。」
それまで私は、自分にはゲイジュツはわからなくていいのだと思っていました。
私にはゲイジュツを理解するために必要な端子というか、受け口自体がないので、わからなくて当然なのだと思っていたんです。
しかし彼曰く、私にわからないものは、それはゲイジュツとして意味をなさない、そう言ったんです。
「ウソだー」
「ホントだよ」
それだけ言って、彼はニコッと笑いました。
その後すぐに彼は会社を辞めて、確かヨーロッパのどこかで働いていると聞きました。
女性たちからお金の相談を受ける仕事をしています。
数年前の自分も含めて、特に女性とお金の話をしているとよく感じるのですが、
お金のことは少なくとも一部は、自分には理解できなくて当然、と思っている人が多いと思います。
すべてを理解できるものではない、と決めてかかっているというか。
例えば、100均の製品を買う時、隅々までその使い方や有益性、壊れにくさを、買う前にすべて把握することは不可能です。
でもしょせん100円。買ってみて使ってみて、ダメなら諦めがつきます。
家や車という高額な物の場合。
たとえ高額であっても、人によってどうしても譲れない点や満足度の高いポイントというのがあります。
そのため、一概にどれがお買い得でどれを買うと損、とは言い切れません。
一度買ったら、買ったものの良い面を見て満足する、という心も大切だと私は思います。
より上、常にベターを探し続けるのは疲弊しますから。
しかしね、これが【金融商品】となると、途端に理解度が低いままに「これでいいやー」と買っちゃうんですね。
【金融商品】と聞いて「私の話じゃない」と思いました?
いえいえ、ウサギさん、他人事じゃありませんよ。
貯金も、定期預金も、保険も、
金融庁が管理する、リッパでシビアな金融商品です。
特に保険なのよ~…
「とにかく何かしらに入っておかないといけない、子供いるんだし」
ってのが、ちーがーうーのー…
よくわからないままに買うには、保険は高すぎるのー…
家や車みたいに、価値観やこだわりとか、そういう話じゃないことが多いのー…
必要じゃないものまで、理解しないまま、言われるがままに払ってることが、とにかく多いのー…
アートを理解するのはセンスじゃないのと同じで、
お金を理解するのもセンスじゃないです。
あなたに理解できないものを、あなたが買う意味は、ない可能性が高いです。
でも難しくてわからない?
わかるまで聞いてください。
保険であれば、販売している人に、保険会社に電話で、自分の知っている言葉で教えてもらってください。
「なんでそんなにたくさん私が必要なの?」
「それはどうやって計算するの?」
「あなたはこれ買ってるの?どうして?」
それでもわからなかったら、多分それはあなたには必要ないものである可能性があります。
まぁなんにせよ、
よくわからないもんは、買ったらダメっしょ。
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いつも応援いただき、本当にありがとうございます。
本当は不安でたまりません。